10/16/2018

回想

October  2018     wooddish  

展覧会で1番感激したお客さまは、最終日の夕方にフラリと入って来た高校1年生。
日本でギャラリーは敷居が高いと思われてしまっているので、大人でも中に入ることはためらって出来ない人が多い中、
僕が他のお客さまの対応をしている間にいつの間にか後ろに佇んでいました。
僕の作品を観た後に、どうしてここに来たのか尋ねると“歩いていたら見つけていいなぁと思って”ということです。すごい。

彼は中学の時に学校へ行けなくなってしまい、今は定時制高校に通っているそう。
そして、自分が個人的に勉強していることのノートを見せてくれました。
自分の好きなことをちゃんと分かって一人で積み重ねていくことはとても難しい。
おそらく誰にも見せない彼の秘密のノートでしょう。

そんな彼のお話を聞いている時は、過去の自分と重ねて涙が出そうになりました。
僕は最後に“後ろ指をさされることもあると思うけど、自分の好きなことを続けていればきっと何かにつながる時が来るので、是非やり続けてほしい”とだけお伝えしました。

いつかこの時間が彼の自慢話になるように、僕は頑張ります。





10/15/2018

おもううつわ展御礼

October 2018     omou-utsuwa exhibition


「おもううつわ」展は無事終了致しました。

昼食の会“コトワリヲハカル”を開いてくださった三島葉子さん、会場音楽を作ってくださった三上僚太さん、企画メンバーの方々、昼食の会のレポートを書いてくださった“てとてと”の井上桃子さん、地域の方々、国内外のお客さまに支えられた素晴らしい展覧会となりました。自分の予想を遥かに超えた結果となったと思っています。

浅学ながら、うつわは人類の歴史とともに歩んできたものです。歴史をひもとくと、様々の人のおもいがうつわに凝縮されていることが分かりました。現在では食卓という小さなスケールでうつわを考えがちですが、僕は大きな可能性を感じました。
そして、台東区上野や中という場所が世界の人々を集める求心力をもつパワースポットであり、hacoはその窓口の1つであると考えました。

展覧会に先立ち、色々な条件を踏まえて個人的な目標として
「1万年後の人が見ても感動し、地球が入るほど大きな希望のつながりを持ったうつわ」
を目指しました。笑われるかも知れませんが、絵空事ではなく実際の結果として垣間見えました。

これは僕1人の力ではなく、多くの方の力によるものです。
今回の展覧会で得られたことを糧として、携わった方々とはじめ、社会にどう還元できるかを考えていきたいと思います。
たくさんのおもいをいただき、ありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。