10/16/2018

回想

October  2018     wooddish  

展覧会で1番感激したお客さまは、最終日の夕方にフラリと入って来た高校1年生。
日本でギャラリーは敷居が高いと思われてしまっているので、大人でも中に入ることはためらって出来ない人が多い中、
僕が他のお客さまの対応をしている間にいつの間にか後ろに佇んでいました。
僕の作品を観た後に、どうしてここに来たのか尋ねると“歩いていたら見つけていいなぁと思って”ということです。すごい。

彼は中学の時に学校へ行けなくなってしまい、今は定時制高校に通っているそう。
そして、自分が個人的に勉強していることのノートを見せてくれました。
自分の好きなことをちゃんと分かって一人で積み重ねていくことはとても難しい。
おそらく誰にも見せない彼の秘密のノートでしょう。

そんな彼のお話を聞いている時は、過去の自分と重ねて涙が出そうになりました。
僕は最後に“後ろ指をさされることもあると思うけど、自分の好きなことを続けていればきっと何かにつながる時が来るので、是非やり続けてほしい”とだけお伝えしました。

いつかこの時間が彼の自慢話になるように、僕は頑張ります。