8/11/2013

キカイダー

10.August.2013    National Museum of Nature and Science




僕がいつも行くリサイクルショップにて。

古い大工道具を物色していたら、横にいたオジさんが「お宅も古い道具探してるの?」と言う。
「まぁ、そんなところです。」と答えた。
するとこのオジさん。
何やらベラベラと道具や機械について話し出す。
機械をいじるのが大好き。
しょっちゅう庭やらガレージやらで機械を触っていて、どんな職業をしているのか全く分からない。
そんな人をよく見かけるという心当たりがある人もいるのでは?

僕はこんな人は嫌いではない。
だから、そんな人達を敬畏を持って「キカイダー」と呼んでいる。



キカイダーは大きく3つに分けられる。
1つ目は、こちらが質問してもなかなかそれには答えてくれず、
自分のタイミングや興味と質問が合った時のみ返事がくる。
無愛想だけど、その情報は実に有益だ。
こちらが質問のボールをたくさん投げても返球は少ない人。
故に「多投一返球型」と呼ぶ。

2つ目は、ボールを一球投げると、何個も返球が来る人。
こちらは「一投多返球型」。こんな人はもの凄くありがたくて、一家に一人欲しい。

3つ目は、こちらがボールを投げなくても、向こうからこちらに延々とボールを投げ続ける人。
こちらは「無指向性暴投型」。
自分には訳の分からない話が長過ぎて、捕まるとちょっと大変だ。



話が戻るけど、そのオジさんは誰かに色々と話したくてウズウズしてたんだろう。
見た目は誰が見ても怪しい。
今回は「無指向性暴投型」だったのだけれど、ちょっと興味が湧いたので話を聞いてみる。
やっぱり専門的すぎて、素人のこちらには何を言ってるか分からなかったが、
今まで分からなかったモノの正体が分かったりして、僅かだけど収穫あり。

最近はパソコンや電動工具など、色々なモノ故障で修理センターなるものに行ったり、
電話で聞いたりしても、一問一答のようになってしまい、それ以上の発見が少なく、
自分勝手ながら物足りなさを感じる。
もっとも、そんなに関係ない話ばかりをしていたら商売にならないからなんだけど。

その点、キカイダーたちは色々自分で試し、成功談や失敗談、
工夫した事など経験値を上乗せして話してくれるから、実に興味深く説得力がある。
しかも、この機械しか知らない、というのではなく非常に守備範囲が広い。
また、機械というものを通して世の中の流れを見ているキカイダー。
これがとても鋭くて、ハッとさせられる事は多い。

今では何でもインターネットで調べられると思いきや、そんなことはない。
他人から得た情報だけでなく、自分で情報を実践で確かめてみる。
頭で後先考えず、手でモノを考える人たち。
自分に足りない部分だ。

やっぱりキカイダーは面白い。