8/16/2013

真夏の妙

16.August.2013     Ami.Ibaraki.Japan




親しくしているスリランカ人の家族が、新盆を迎えた我が家にお参りに来てくれた。
ご主人によると、日本に来てから冷遇される事も多かった中、
ウチの家族は温かく受け入れてくれたのがきっかけとのこと。
以来、産まれた子供の名前を僕の母が命名させてもらい、
困った時には必ず来てくれる情の厚い人達だ。

“盆”というのは、日本独自の文化のようだ。
同じ仏教でも、スリランカでは盆のような行事はないらしい。
日本でも、浄土真宗など宗派によっては盆がない。

僕の住む辺りでは、盆の初日には提灯に火を灯し、お墓に先祖を迎えにいく風習が残る。
我が家の場合、お墓に迎えにいく代わりに玄関先で迎え火を焚く。
“盆の時は先祖が里帰りするため、星の数が少ない”と母の叔父が言っていたそうだ。
確かに、空を見ると星が全く見えない。
そんなの天気によるじゃない?
まぁ時にはそういうこともあるだろうなと思ってた。
でも、盆の間僕は何だか本当に先祖が近くに居るような気がして、結構神妙な気持ちで過ごしている。

盆の終わりには、また玄関先で今度は送り火を焚き、先祖を見送る。
火が消えると、ちょっと寂しく感じるのはいつものこと。
でも、今年は家族にとって特別の想いがあった。
そんな盆もあっという間に例年通り過ぎていく。

送り火を焚いているとき、
“煙に乗って先祖たちは幽界に帰るんだって〜”なんて話をしていた。
僕は、今年は何かあるんじゃないかと思って一生懸命煙を見つめる。
でも、何にもない。
やっぱりそうだよね、、、と思っていたら、
2歳に満たない無口な姪っ子が、空に上っていく煙を指差して手を振っていた。

そんなちょっと不思議な出来事もあるのが夏という季節なのかな。